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ナンピンは最悪手法?その特徴とFXでのやり方を解説

FXの手法の中には評価が良くないモノもあります。例えば、ナンピンがまさにそれで、相場の世界には下手なナンピンすかんぴんと呼ばれる言葉すらあるほどです。

まず結論から述べると、ナンピンは成功すると一気に大きく稼げる手法です。特にFXのようなレバレッジをかけられる金融商品の場合、計画的にナンピンをすることで、1年とかけずに資産を倍増することもできるでしょう。

その反面、計画性のないナンピンをすると、瞬く間に大損して資産を溶かしてしまう恐れがあります。まだFXを始めたばかりの初心者の方で、相場に不慣れな人ほど、ナンピンをする際には注意をした方が良いでしょう。

今回はナンピンの特徴と、そのやり方、さらにはFXにおけるナンピンのやり方などを紹介します。

FX

目次

ナンピンとは?

ナンピン(難平)とは、投資手法の一つです。ナンピンは昔から使われている手法であり、現在も多用されています。ナンピンでは、相場が自分の思惑と反対方向に進んだ場合、さらに「買い」もしくは「売り」を増すことになります。

例えば、米ドル/円相場で、将来円安になると予測するとします。仮に現在のレートが1ドル100円とした場合、円安になると予測するわけですから、ロングポジションを保有することになります。

その後、円高が進み、1ドル99円になったとします。この時、ナンピンではさらに買い増しをすることになります。

このように、反対方向に進む度にポジションを増やすことで、ナンピンでは平均取得価格を有利な方向に動かすことができます。

もしもこの後、トレンドが転換し、円安となり、米ドル円相場が1ドル100円以上にまで回復すれば、ナンピンをした投資家は利益を得ることができるでしょう。

ナンピンのメリットとは?

ナンピンのメリットは、価格が反対方向に進む毎にポジションを増やすことで、平均取得価格を有利な方向に動かすことができる点にあります。

例えば、将来円高になると予測するとします。その予測をした時点における米ドル/円のレートは1ドル100円とします。

将来、円高になると予測をするわけですから、ショートポジションを保有することになります。今回は、1万米ドル分のショートポジションを1ドル100円の時に保有するとします。

その後、円安が進み、1ドル105円になったとします。この時、ナンピンではポジションを追加することになるので、今回は1ドル105円の時に追加で1万通貨分のショートポジションを新たに保有するとします。

この場合、合計で2万通貨のショートポジションを保有したことになります。100円の時に1万通貨、105円の時に1万通貨をそれぞれ保有しているため、この時点における平均取得価格は205万円となります。

要するに、レートが反対方向に進んだ時にポジションを増やしたことで、平均取得価格が上がったということです。

その後、思惑通りに相場が動いて円高になり、1ドル95円まで価格が落ちたとすると、どうなるのでしょう?

この時点におけるショートポジションの保有量は2万通貨です。この2万通貨分のポジションを1ドル95円で決済をすることになります。

平均取得価格が205万円で、決済時の価格が190万円なので、差額は15万円となります。つまり、今回のトレードで、投資家は15万円の利益を得ることに成功したということです。

もしも1ドル100円の時に2万通貨のショートポジションを保有した場合、95円まで円高が進んだとしても、10万円の利益しか稼げません。

しかし、ナンピンで平均取得価格を有利な方向に動かしたことで、利益を増やすことに成功したわけです。

このように、ナンピンが成功すると、たとえポジションの保有量が同じでも、利益を増やすことができます。

平均取得価格を有利な方向に動かすことに成功すれば、将来思惑通りに価格が動いた時に、大きく稼げることでしょう。これがナンピンのメリットです。

ナンピンのデメリット

ナンピンは確かに成功すれば、短期間で大きく稼げる手法です。しかし、もしも失敗したらどうなるのでしょうか?

ナンピンをする場合、相場が反対方向に進んだ時、ポジションを追加で保有することになります。そのため、相場が反対方向に動けば動くほど、損失がさらに拡大する恐れがあります。

例えば、将来円安になると思い、米ドル/円相場でロングポジションを保有するとします。この時、ナンピンでは円高になればなるほど、追加でロングポジションを保有することになります。

ロングポジションを追加した後に相場が反転し、円安になってくれれば大儲けができるのですが、もしも相場が反転せず、そのまま円高が続いた場合はどうなのでしょう?

その場合、ポジションを追加してしまったことで、損失が急激に拡大します。ポジションの量が増えるということは、その分だけリターンも増えますし、リスクも増えるからです。

これが株式投資や外貨預金のような、現物取引ならば、たとえ含み損が増えたとしても、じっと耐えることで、凌ぐことができます。

短期的に価格が下落したとしても、長期的に見れば価格が回復することがあるでしょう。それまで待つことができれば、ナンピンは成功となります。

しかし、FXではそのような長期戦はできません。なぜなら、FXにはロスカットがあるからです。

もしもナンピンのし過ぎで含み損が膨れ上がり、証拠金が急激に減った場合、FX会社は強制的にポジションを決済するロスカットを敢行することになります。

ロスカットをされてしまったら、その時点で決済となるため、損失が確定します。

たとえその後、相場が反転し、思惑通りに価格が動いたとしても、ロスカットされてしまった以上、そのチャンスを掴むことはできません。

このように、FXにはロスカットの制度があるため、ナンピンがやり難いです。

FXにおけるナンピンのやり方

FXは短期的に見ると、ナンピンが成功しやすい環境があります。

なにしろ株と違って、為替というのは常に同じような価格を上下に変動しているからです。

為替はトレンド相場よりもレンジ相場が多く、一時的に円高もしくは円安が進むことがあっても、やがて時間が経てば元の価格に戻るでしょう。

たとえ高値でロングポジションを保有することになったとしても、価格が下落し、安値になった時にロングポジションを追加しておけば、いざ価格が動いて高値に近づいた時に決済をすることで、利益を稼ぐことができるでしょう。

レンジ相場が多い為替市場は、まさにナンピンがしやすい環境であると言えます。

ただし、長期的に見ると、ナンピンはFXには不向きな手法となります。というのも、為替相場は時に、今までの動向を無視するような、大きな動きをすることがあるからです。

例えば、2008年のリーマンショック時においては、1ドル100円以上と円安気味だった相場が急激に円高へと方向転換し、2012年には1ドル80円まで下落しました。

この時、もしも円安になると予測し、ロングポジションを円高になる毎に追加していたら、きっと大損していたことでしょう。

確かにリーマンショックは稀有な事例かもしれまていせん。しかし、今後も似たような事例が無いとは言い切れません。

それほど多くはありませんが、為替相場に影響を与えるようなニュースというのは定期的によく報道されるものです。

このように、いつ予測を裏切る展開が発生するかわからないだけに、FXのナンピンは長期戦には不向きとなります。FXでナンピンをするのであれば、デイトレードやスイングトレードのような、短期投資で実践した方が良いでしょう。

長期投資でナンピンをやると、リーマンショックやスイスフランショック、日銀砲など、想定外のハプニングが起きた時、大損する恐れがあります。

さらに、FXでナンピンをするなら、テクニカル分析だけでなく、ファンダメンタルズ分析もしっかり行っておきましょう。

テクニカルとファンダメンタルズ、両方の分析手法を実践することで、将来の相場の動きを予測しやすくなります。

確実に円安になるだろう、もしくは円高になるだろうという根拠があるのであれば、ナンピンは心強い武器となるでしょう。

ただ、それでもナンピンをする場合は、レバレッジを低めに設定するなど、リスクを排除した上でやった方が良いでしょう。

しっかりと根拠をもって戦略的に取引をする、レバレッジを低くしてリスクを減らす、この2点を守って取引をしている限り、ナンピンは資産を短期間で増やしてくれる画期的な手法となります。

しかし、注意点を守らずにナンピンをやると、思惑が外れた時に、一気に大損してしまう恐れがあります。ナンピンをやる場合は、極力リスクを減らした状態で取引をしましょう。

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