FXで利益を出す方法というと、一見難しそうに感じられます。確かに専業トレーダーの手法を紹介されても、一読しただけでその全貌を理解するのはなかなか困難でしょう。
専業トレーダーの多くはトレード研究家ですし、トレードを科学している人も多いです。
しかし、FXの手法というのは難易度が高ければ高いほど、成功率が高くなるというものではありません。むしろ、プロが使用している手法ほど、実はシンプルで、簡単な手法であることが多いです。
ライントレードも、そんなシンプルで、尚且つプロも使用している実践的な手法の一つです。ライントレードのやり方を習得すると、現在の相場の動向を把握しやすくなるため、トレードをする上で非常に役に立ちます。
FXを始めてみたものの、なかなか利益が出ず、いつも失敗で終わっているという方は、一度ライントレードのやり方を学んでみることをオススメします。ライントレードの手法を知ることで、利益率の高いトレードを実践できるようになるでしょう。
ライントレードとは?
ライントレードとは、チャート上に描いた線(ライン)の動きを見ることで、今後の相場の動向を予測する手法のことです。
チャート上に描く線というと、例えばローソク足の動きに沿う形で線を引くトレンドラインや、横一直線にラインを引く水平線などがあります。
ライントレードでは、この水平線やトレンドラインを活用し、取引に活かすことになります。
ラインを引く目的
FXでライントレードを実践する場合、トレーダーは自分自身の手でチャート上にトレンドラインや水平線を引くことになります。このラインを引く目的とは一体何なのでしょうか?
チャート上にラインを引く主な目的は、現在の相場をシンプルに理解するためです。
まずトレンドラインを引くと、現在の相場は上昇しているのか、それとも下降しているのかを判断しやすくなります。
下降トレンドが発生している時はショート注文を入れ、上昇トレンドが発生している時はロング注文を入れる、といった具合に取引ルールを設定するだけでも、勝率の高い取引ができます。
さらに、水平線を引くことで、どのタイミングで売買をすれば良いのかが明白にわかるため、常に迷いなくエントリーと決済ができるようになるという利点がライントレードにはあります。
大金がかかっている分、FXを始めるとつい人は感情的になりやすく、間違った決断を下してしまいがちになります。時には感情的になるあまり、根拠のないトレードをすることがあるでしょう。
しかし、ライントレードを実践することで、根拠のない取引を辞め、常に現在の相場に適した取引ができるようになります。
ライントレードを始めるようになると、勝率が劇的に改善されるようになります。常に根拠のあるトレードをしているため、利益率が高くなるのです。
さらに、ライントレードは損切りのタイミングを計る上でも役立つ手法のため、いざ思惑が外れたとしても、損失を最小限に抑えることができるという利点があります。
まさに損小利大の取引をするにあたって、ライントレードは非常に役立つ手法なのです。
ライントレードのデメリット
ライントレードは確かにプロも使用する役立つ手法なのですが、万能の手法というわけではありません。シンプルで使いやすい一方で、デメリットもあります。
ライントレードを実践する際には、このデメリットに注意し、しっかりと対策をたてておきましょう。
まずライントレードを実際に使用するためには、練習が必要です。
コンピュータが自動的に作成してくれるインディケーターと違い、ライントレードでは自分でトレンドラインや水平線を作成する必要があります。
そのため、初心者や、まだ不慣れな方の場合、ラインを引けるようになるまで時間がかかるでしょう。
さらに、ライントレードは、どこにラインを引くかで個人差があるという欠点があります。
水平線を引くにしろ、トレンドラインを引くにしろ、どこを基準にラインを引くかは個人の度量にかかっているため、ライントレードといっても人それぞれで、描くラインの形が異なるのです。
ライントレードを実践する投資家が100人いるとしたら、100通りのラインがあると考えた方が良いでしょう。
ラインの描き方
ライントレードを実践するにあたり、水平線とトレンドラインを描くことになります。このラインはどうやって描けば良いのでしょうか?
ここでは水平線とトレンドライン、両方の描き方について解説します。
水平線の描き方
水平線とは、横一直線のラインのことです。水平線をチャートに描く時は、横線を使用しましょう。
水平線を描く場合、できるだけ直近の高値と安値を基準に横線を描きましょう。
例えば、ここ24時間における米ドル/円の価格の高値が110円、安値が109円ならば、110円と109円にそれぞれ水平線を描きます。
水平線を描く時、あまりにも昔の高値や安値を参考にしても、役に立たないことが多いです。できるだけ直近を参考にすると良いでしょう。
線を描いた後、現在の価格よりも上にある水平線がレジスタンスライン、現在の価格よりも下にあるラインがサポートラインとなります。
水平線を使用して取引をする場合、エントリーには二つの方法があります。まず、サポレジの反発を狙う手法と、サポレジが抜けた時にエントリーする手法の二つです。
サポレジの反発を狙う手法では、サポートラインで反発した時にロング注文を入れ、レジスタンスラインで反発したらショート注文をそれぞれ入れることになります。反発後に反対側のラインにローソク足が近づいたら、決済することになります。
サポレジを抜けた時にエントリーをする手法とは、要するにブレイクアウト手法のことです。この手法の場合、レジスタンスラインを上に抜けたらロング注文、サポートラインを下に抜けたショート注文をそれぞれ入れることになります。
トレンドラインの描き方
トレンドラインを引く場合、まずトレンドの方向性を確認します。
例えばローソク足が上昇している場合、特に目立っている安値を2つ以上見つけ、その安値同士を線で結び、ラインを描くことになります。このラインがサポートラインとなります。
次にローソク足が下落している場合、目立っている高値を2つ以上見つけ、その高値同士を線で結び、ラインを描くことになります。このラインがレジスタンスラインとなります。
上昇トレンド中はサポートラインを描き、下降トレンド中はレジスタンスラインを描くことになります。
サポートラインを描いた場合、ローソク足がサポートラインに近づくまで待つことになります。サポートラインに近づき、そこで反発した場合、ロング注文を入れます。
レジスタンスラインの場合、ローソク足がラインに近づくまで待ちます。ローソク足がレジスタンスライン付近で反発したらショート注文を入れることになります。
トレンドラインを描く場合、そのトレンドの方向に合わせて注文を入れることになります。このようなトレンドに即した形で注文を入れる手法をトレンドフォローと呼びます。
もしもローソク足がラインで反発せずに、そのままラインを割ってしまった場合、ブレイクしたと判断できます。
この場合、トレンドが終了し、逆方向に転換した可能性があります。ただ、この時点ではトレンドが終了しただけで、本当に逆方向にトレンドが転換したのかはわからないので、様子見をした方が賢明でしょう。
トレンドラインを使用する際には、同時に水平線も引くと、ブレイクアウトのポイントが掴みやすくなります。これら二つのラインを上手に描けるようになると、トレードの助けになるでしょう。ひいては、利益率の改善に大きく貢献します。
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